誤用の多い表現リスト

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小説、漫画などで誤用の多い表現を集めてみようと思います。
わざわざ辞書を引いてみなくても、文章や映像の流れからなんとなく意味を推測してしまい、いざテストで聞かれると、実は全く意味が違っていたり……
その人の能力やらに無関係に、思い込みや経験なんかの結果間違えてしまうことはあるものだと思います。

これについて、既にまとめてあるサイトやら、一冊の本になってたりするならここからも紹介しようと思っています。

ページ下に、リンクがあります

ベネッセあたりで「文筆家養成コース」みたいなものが作られたら、きっとこういう小冊子が届いたりするんじゃないかな?とか思います。
Wikiみたいな形式にしたほうが充実するかもしれないし、逆に混沌とするかもしれないものの、ひとまず、私が思いつく限り、実際に本やテレビで見たり聞いたりし次第書いていきます。

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  1. 100歩譲って
  2. 一歩譲って
  3. 役不足
  4. 煮詰まる
  5. 憮然
  6. 檄を飛ばす
  7. 姑息
  8. 手をこまねいて
  9. さもしい
  10. 一万光年早い
  1. 百歩譲って
    相手の言うことを認めて。"大目に見る"、"加減する"のような意味で使われることがある。厳密に間違っているかどうかを考えるにはこの言葉の誕生まで遡らなくてはなるまいが、辞書的な意味では誤りになる。
    "妥協する"……も、「相手の言うことを認めて」らしい。あと譲歩も同じ意味。
    誤用例:「特盛りを頼んだって食べきれないわけでもないけど、百歩譲って大盛りにしておく」



  2. 一歩譲って
    百歩譲ってのほうが広く使われている気もするものの、こちらの方が正しい用法の様子。
    「百歩譲っては一歩譲っての誤用」という考えを持っている(た)人もいる様子。
    辞書によっては、一歩譲ってしか載っていなかったり、一歩譲ってに比べ、百歩譲った場合のほうが微妙に譲る度合いが大きい場合もある様子。「譲歩」も同じ意味。


  3. 役不足
    役者の技量、魅力などの価値に対して、与えられた役が見劣りすること。力不足の逆

    誤用例:「そんな!新人で足手まといなだけの私が劇の準主役だなんて!私には役不足です!」


    役が不足する例
    「旦那の手を煩わせるほどでもねえ。ここはあっしが……」

    代表的な死亡フラグでありながら、ここでは「旦那」の能力に対し、旦那と相対している相手の力が大きく劣っていると手下Aは判断している場面になります。つまり、手下Aにとっては、旦那に対して「どこの馬の骨とも知れない素浪人の相手」という役は不足しているということになります。
    このような場面では、この素浪人は旦那に匹敵する能力を持っていることが多い。そして手下Aは瞬殺される。



  4. 煮詰まる
    「行き詰まる」みたいな意味で使われるが、煮詰まるの意味は「結論が出る」
    「もう結論は出掛かっているけど、ここでその結論を選び、話を終わりにしてしまいたくない」場面なんかで使われます。
    この場合、煮詰まって出た結論が微妙に「最後の手段」に思えるような、多くの人があまり望んでいない結論にたどり着きつつある時に出てきます。そういう意味で、誤った認識が成されている可能性が高く、いざ国語のテストに出されると間違える可能性が高くなる

    誤用例
    A「この案で行くぞ!」
    B「待て!その案には致命的な欠陥がある。こっちの案で!」
    C「A案もB案もダメだ。どちらもお金がかかりすぎるから安く上がるこの方法で」
    D「それって地味すぎね?」
    E「どうにもいい案が出ないな……」
    F「……煮詰まってきたようなので、一旦休憩にしませんか?」
    この場合だと、全く結論らしきものが見えません。


    A「リストラしかあるまい」
    B「社員を見捨てるなんてわが社の伝統に傷がつく」
    A「しかし、他に方法がないだろう」
    C「君には人の心がないのかね?」
    A「なら、どうやってこの不況を乗り切るというのですか。去年、Cさんが企画したプロジェクトが成功していれば……」
    C「うっ……」
    D「話が煮詰まってきましたね。一旦休憩をはさみ、その後で役員投票でよろしいでしょうか?」
    こちらでは、あまりいい手段でないことは理解しながらも、全員が同じ結論を受け入れつつあります。


  5. 憮然
    失望してぼんやりとしている様子
    これだと、呆然じゃないのかとも思う。確かに、呆然にも上と同様の意味もあるし、憮然には

    「思いどおりにならなくて不満なさま」

    という用法も存在する。
    どのような選択肢が出ていたか不明なものの、一時期の小学生の学力テストなどで、この憮然を上のような「失望してぼんやり……」という意味と捉えることができず、不正解が目立ったことがあるらしい。



  6. 檄を飛ばす
    自分の意見を広く伝え、同意を求める。

    激励ではない。いざ書いてみると、漢字が違いましたね。

    また、檄は文書であり、檄文とも呼ぶものなのだそうです。だから、口頭で行う演説等を指して"檄を飛ばす"と表現するのは誤りだという意見も。

    檄について分かりやすく書いてくれているページがありました。
    コラム: 「檄を飛ばす」の本当の意味

    「市ケ谷台 檄文(三島由紀夫)」はリンク切れなのでこちらへ。
    檄文(三島由紀夫)

    こういうものだから、檄と激励は相手に行動を促すような言葉をかける点では同じですが、上のような「檄」は、ただ「元気づける」ための言葉という感じではないことがわかります。
    また、いわゆる「激励」する場面で、受け手の気持ちを無視して、持論を述べ続ける人もいないでしょう(校長先生の「激励」は……どうだろう?「全国大会へ向かう選手達に檄を飛ばした」とかあっても、間違いじゃないことは有りうる)。


    檄!帝国歌劇団



  7. 姑息
    〔「姑」はしばらく、「息」はやむ意〕根本的に解決するのではなく、一時の間に合わせにする・こと(さま)。 (goo辞書より)
    一時の間に合わせであり、「ズルい」わけではないようです。
    誤用例
    ギャラクシーエンジェル(アニメ)のエンディングテーマの歌詞


  8. 手をこまねいて
    両手を胸の前で重ね合わせる。腕を組む。もと、中国の敬礼の動作。
    ・ はてなと思ひ、暫し腕―・き〔出典: 怪談牡丹灯籠(円朝)〕
    (yahoo辞書)

    手を小さく招いていたりして人を呼んでいる様子を「手をこまねいている」とか書いちゃうとNG


  9. さもしい
    (形)[文]シク さも・し
    補足説明「様(さま)悪(あ)し」が「さまわし」「さまうし」を経て「さもし」へと転じた語
    (1)心がいやしい。あさましい。
    「―・い曲つた根性/社会百面相(魯庵)」
    (2)みすぼらしい。見苦しい。
    「此のめでたい市の始に、何とあの様な―・い牛が/狂言・牛馬(虎寛本)」[派生] ――げ(形動)――さ(名)


    某政党の偉い人は「卑怯である」以外の用法を認めないらしい。
    管直人の、「さもしい」論議に、思うこと。:イザ!

    国会でいじめを生中継したり、おっさん等がそろって罵詈雑言を浴びせるのを面白おかしく放送するためには不要ではあるものの、国語辞典くらい税金で買ってもいい気がします。

    麻生は「あさましい」という意味のつもりで使ったと謝ってしまったが、そっちと同義でもある点でも、実は正しかった様子。いや、「見苦しい」という意味を意図していたのか?

  10. 一万光年早い
    光年は光の速さで移動して、一年かかる距離を基準にした天文学上の単位。
    時間の単位ではない。



リンク ことわざ・慣用句誤用辞典
「慣用表現とそうでないもの」、「比喩表現とそうでないもの」まで広い範囲でカバーしているものの、私が作ろうとしているものとは微妙に違うかも。もしくは掲載範囲が広すぎる。





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