伊里野は吉野にレイプされたのか?
このことは伊里野の生死同、様本文中では明言されていないことなので、よく話題にのぼりました。
その結果、絶対的な根拠と呼べる部分はないという結論に達しました。
ここでは、伊里野レイプ論争に関し、専用のページを設けて詳しく紹介することにしました。
以下に、現在の主な派閥を示します。
伊里野に膜は ─┬─ あるよ派
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│ ├─ 抱きつかれて押し倒されただけだよ派
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│ │ └─ パンツも脱がされてないよ派(絶対清純主義)
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│ ├─ 吉野は手首の玉に気づいて逃げ出したよ派(穏健的ファンタジー派?)
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│ ├─ 宇宙人の力で再生したよ派(宇宙人派)
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│ ├─ 伊里野は犯されても処女だよ派(盲目的妄想派)
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│ └─ なにもされてないっ派(間接的あきらめ派)
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└─ ないよ派
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├─ あのときに犯されたよ派(現実派)
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│ └─ たとえ犯されても伊里野が好きだよ派(純愛主義)
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│ └─ むしろ犯されてたほうが萌えるよ派(過激派)
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├─ 実は自衛軍の軍人どもの公衆便所だよ派(急進的ファンタジー派)
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├─ 伊里野は俺が犯したよ派(メルヘン派)
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└─ それよりEGFがいつ出るのか気になるよ派
次に、本文中の状況説明や台詞から、ヒントになりそうな部分を抜き出し、作者の意図を読み取ってみましょう。
まず、されてない派の根拠といえる部分を並べてみます。
- 金属球に気づいた
- ナイフで刺した
- 浅羽が鼻血をぬぐってやると新しい鼻血が流れてきた
吉野が金属球に気づき、そのことを気持ち悪く思い逃げたという可能性はあります。また、浅羽や伊里野がそれぞれ一回ずつ、軍に関係するあやしい兵器や薬の話などもしています。……しかしそれを思い出したのなら公権力に電話するのはおかしい気がするので、金属球と軍隊を結び付けては考えなかったと考えられます。
次に、伊里野はナイフで腎臓をねらって刺し、その結果吉野は足をひきずるように歩いて出ていったので、吉野が怪我をしたことは間違いないでしょう。
歩いていける程度の傷ならそう命にかかわるものではないとも考えられますが、傷を負った場合には焼けるような痛みと、出血に対するあせりを感じるはずなので、おそらくはレイプのを続けようとは思わなかったはずです。
また、この場面まで、吉野は行動が二転三転する場面が描かれています。
本を借りる前に学校のうわさを聞く→本を借りた直後、本をゴミ箱に捨てる→本を捨てておきながら、子供に説教→説教しておきながら、自販機破壊→ビール捨て、学校へ急ぐ(浅羽たちは放っておいて逃げるつもり)→伊里野をレイプしようと、トイレに行ったと思い追いかける→焼却炉前にいた伊里野に、町を出るように伝え、踵を返す→伊里野を追いかける
このように、吉野は一度考えを改めたこともあったので、ナイフで刺されて逃げることにした可能性も十分にあると考えられます。
続いて、浅羽が鼻血をぬぐってやると後から新しい鼻血が流れてきた。という部分です。
この場面は、伊里野の内面が描かれていないので伝わりづらいですが、ここは、「好きなアイツと顔が近づいてドキドキ」な場面です。
口元をぬぐってもらう場面に比べ、鼻血をぬぐってもらう場面はあまり見ませんが……このときの伊里野は、浅羽が気にしないと言ったこともあり、結構立ち直ってるようです。
次に、された派の根拠といえる部分です。
間違い探しは最後にスカートが90度ほど回ってしまっているが、これを浅羽は見逃している点が出てきます。
このことが何か意味深な印象を与えていますが、これはただ浅羽が気づかなかっただけなのかもしれません。
また、このことに対し、秋山スレを訪れた女性読者は、「スカートは簡単に回っちゃう」と証言しています。
また、「レイプされたりしたら座り込んでなんていられない」との言葉もありました。
伊里野が風呂にはいってシャワーをざぶざぶ浴びてる状態だったりすればレイプされた可能性が高くなりそうではありますが、吉野(襲い掛かってきた中年男)のよだれや汗が体にかかっている状態であることは確かなので、やはり普通風呂に入ろうとするでしょう。また、秋山がスカートの回りやすさを知っていたとも思えません。中にはブルマやチャイナドレスを所持しているラノベ作家さんもいらっしゃる様子ですが、それは美少女ラノベ作家に限ってです。男がそんなん持ってるはずがない。
次に、「なにもされてないっ!」という伊里野の証言ですが、これは信じられるかどうかよくわかりません。
伊里野は以前、猫を浅羽の下駄箱に入れた際、うそをつくのが下手であることがわかっていて、その場面と重なる部分があるため、嘘なのではないかと予想することもできます。そして、線路で伊里野が叫ぶ場面も強く印象に残りますが、初めにこれを言う場面は、一言だけそう言って、そのまま体育館の真ん中で座り込むという静かなものでした。
また、アニメではカップ焼そばをこぼした後、「殺すつもりで刺したのに」を言う前にも、もう一度「なにもされてないっ」が入ってます。
最後は、どちらとも取れるが意味深な部分です
- 吉野が浅羽を見て逃げた
- 吉野が電話で通報したこと
- 殺すつもりで刺したのに
吉野が浅羽を見て逃げたことに、「レイプ既遂だから逃げたんじゃね?何もしてないなら逃げる必然性は無い」という意見も出ました。レイプしたことを知ったら当然浅羽は怒りますが、何もしていないというより、途中で中断した未遂であってもかなり気まずいとはおもいます。やはりいずれにせよ立ち去るべき段階まで進んでしまっていたでしょう。
また、ナイフを持った中学生(の仲間)ということで伊里野、浅羽を嫌悪したからなども考えられます。以上より、ここはおそらく未遂、既遂いずれかと判断するためのヒントにはならないでしょう。
次の、電話での通報は「レイプしたのに通報したら自分も捕まる、つまり通報するからにはレイプはしていない」という意見もあり、またこれには「未遂でも十分犯罪だから、それはない」という反対意見もあります。ほかには、「自分のことは棚に上げて、足を刺されたことに対する腹いせ」ということでしょうか。腹いせに浅羽たちの寝床を奪うことが目的であり、既遂、未遂いずれでも、軍隊が全力で盗聴していたりしなければ、結構なご時世ですし、この程度の通報から日本中を渡り歩くホームレスを捕まえようなどと動かないものと判断したのかもしれません。(漫画版では、浮浪者(アニメ同様、それほど深く関わらない)は町を出る前に確保されています)
最後に、「殺すつもりで刺したのに」は、後に何が続くのかも関係してきそうですが、ここで単に、「殺せなかった」と続く場合、殺せなかったからレイプされたと続く気もします。しかし、伊里野の記憶退行が始まったのが線路の上であると考えると、浅羽に対してナイフを振り(同時に浅羽を殴り倒した?)、不思議そうな顔をしながら、「殺すつもりで刺したのに」といっている場面は対吉野の場面の再現なのかもしれません。あのような場面に遭遇したと考えれば、吉野が逃げたことも納得できます。
ここまでが作品で提示されている内容になりますが、個人的にレイプ否定派な立場であるため、ある程度偏った意見になったと思いますが、結論は読むあなたにゆだねられるといえましょう。
上に挙げたような内容では、結局のところ決定的なものがなく、作者がぼやかしている、読者に判断を任せている場面と判断するのが妥当でしょう。
この説明にも納得がいかず、どうしても結論を出したいというあなたに。
浅羽の視点ではどのような情報を得られ、どのように判断したかを考察してみましょう。
浅羽は、校門で逃げていく吉野を目撃し、体育館で伊里野を見つけ、状況から何があったかを察して金属バットを持ち出し、その後伊里野から、「なにもされてない」と伝えられます。金属バットを持ち出す場面でも、夕食の場面でも、浅羽はレイプがあったとする立場から、そのことに触れないようにしているようにも受け取れ、また、駅の場面でも浅羽はレイプがあったと考えての言動をとっているように思われます。
これに対し、読者は何度か読み返すことで上に挙げたような部分を考察することもできますが、一度目に読んだ結果として頭に入ってくることは、吉野が伊里野を羽交い絞めにした、金属球にひるんだ隙にナイフで応戦した、浅羽を見て逃げた、体育館で座り込む伊里野、伊里野の「なにもされてない」くらいでしょう。これは、浅羽が得た情報とほとんど同じ程度とも考えられます。
つまり、作者はここで読者を浅羽と同じ立場に立たせたかったとも考えれれます。
「あなただけしか頼る相手がいない女の子が、浮浪者にレイプされたかもしれない。あなたは彼女を信じられますか?」
さて、皆さんはこの状況で伊里野に優しく接することができたでしょうか?('A`)
追記
浅羽のレイプ肯定派ともとれる態度は、実際は伊里野の「なにもされてない」を信じたい気持ちであったものの、どうしても心の底から信じることができなかった心情でこういう行動をとるだろうというものなんでしょうね。また、金属球に吉野が気づいて、少し行動がとまった場面があったことを知ってる点で、読者のほうがレイプに否定的な立場になりやすい気もしますが、うーん、一応浅羽も間違い探しでリストバンドに気づいてるし……。
最後になりますが、ページ始めにある表みたいなものに「膜」って書いてあるのは処女膜のことで、伊里野レイプ論争は「膜の話」と呼ばれることもあったためです。
あ、処女厨って言わないで。余命幾許もない女の子が浮浪者にやられちゃったなんて考えたくないからってことで
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