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日本語訳 The Dandelion Girl
textファイル
zipファイル
本が発売され、電子書籍でも手に入る時代になりましたね。消しときましょう

CLANNADのアニメに間に合うよう、突貫で訳した記憶があります。
当時はなかなか和訳が手に入らない感じでして、アニメで興味を持った人も同じ悩みに直面するんだろう・・・と思ったので私自身で動くこととしました。
訳に不十分なものがいくらかありましたが、楽しんでいただけたなら幸いです。


Robert F. Young のThe Dandelion Girl (たんぽぽ娘)です。


ラストシーンについての補足というか個人的な感想というか言い訳みたいなものを追加しました
たんぽぽ娘 感想とか


タンポポ娘と書いたほうがいいのか迷いましたが、
こっちだとアイドルのユニット名なのでしょうか?
googleの関連検索を見る限りでは、ロバート・ヤング作品のほうは
ひらがな表記のほうがメジャーなようですね。
元々名作として名高い作品のようですが、Keyから出たCLANNADというテキストアドベンチャーゲーム(ギャルゲー)に
登場したことで局所的に注目度があがった様子です。
現在日本語版の入手は難しく、これを登場させた涼元悠一氏も、
古本屋に立ち入る際、この話の収録された短編集を探すことを繰り返しているようで、
以前、その様子がweb上の日記に書かれていました。
(現在、その当時の日記は残っていません。)

CLANNAD内では、この小説中の言葉
「おとといは兎を見たの。昨日は鹿。今日はあなた」
が登場します。

これは、ゲームに登場する女の子の中の一人が、主人公との別れ際に言う言葉です。
ゲーム中の女の子はこの小説を読んだことがあるという設定なのですが、『たんぽぽ娘』のあらすじなどは紹介されません。
どことなく意味深に感じられ、結構気になりました
CLANNAD(の一之瀬ことみシナリオ)もとてもすばらしい作品であり、私もこの『たんぽぽ娘』を読んでみたいと考えました。
私以外にも結構多くいる様子です
実際に読んでみると、ゲームのシナリオともある程度の関連性があると感じました。
読んでみてよかったです。この話自体もとても面白かったですし。
私は日本語版を手に入れることができず、英語版をwebで手に入れて読むことにしました。
日本語でないと気軽には読めないため、一度がんばって和訳してみることにしました。
英語版を読むのに最初はたしか8時間ほど、和訳には・・・だいたい3,40時間とか?(1ヶ月ほど)

複数の本に収録されてますが現在すべて絶版になっており、
コバルト文庫『ロマンチックSF傑作選 』の他、創元文庫『年刊SF傑作選』文春文庫『奇妙なはなし』、SFマガジン2000年2月号
などで読むことができるそうです。
コバルト文庫『ロマンチックSF傑作選 』は、ビブリア古書堂にて美本8000円だとか。


著作権のことはどこの法律が適用されるんでしょうね。
公開時にはわからないので、"連絡があれば消す"としておきましたが、日本では親告罪であるため、著作権者、または代理からの侵害の訴え(直接、または裁判所を通しての通達)がなければ著作権侵害は成立しない模様。
現在TPPで話題になっていますが、親告罪という仕組みがない国(アメリカなど)の場合、通りすがりの人に
「著作権侵害してんじゃねえよ!作者の著作権まだ生きてんぞ!どうしてくれんだよオォン?」
と言われたらそれで著作権侵害が成立し、警察も動かなければならなくなる・・・恐れがあるらしい
こうなると二次創作がやりにくくなると懸念されています
翻訳元はこちら。
The Dandelion Girl(scifi.com)

上のページは削除されたか移転したか。
同じ内容がUPされてるページがあったので、そちらもリンク
The Dandelion Girl(lexal.net)

同じく、英語の前文を上げているページ
The Dandelion Girl- Robert F. Young - clannad dandelion kotomi - Wattpad
……こちらは、明らかにCLANNADを見た人がUPしたページのようです。



おまけ。(2009/12/23)

ことみシナリオでは、たんぽぽ娘以外にも、もう1つ涼元氏の好きな小説が登場しています。
アニメでは、突然の謎の夢としてのみ登場しましたが、ゲームでは、冒頭が引用され、その作品名も特定することが出来ました。

よほど遠い過去のこと、秋から冬にかけての短い期間を、私は、変な家庭の一員としてすごした。そしてそのあいだに私はひとつの恋をしたようである

引用元:第七官界彷徨 - 哲の年金生活 - Yahoo!ブログ

尾崎翠の『第七官界彷徨』という作品であり、それほど長い話でもないこともあって、単体ではなく尾崎翠全集などの形で出版されています。今でも入手可能と思われます。

アニメとあわせての解説
神奈井総社@rNote - 一ノ瀬ことみ関連書 その2「第七官界彷徨」


説明しようにも、なんと言うかとらえどころのない話で、どう説明していいかわからないんですが、とりあえずあらすじ…の前に物語の前提を述べてみると、今はぱっとしない田舎娘であり、親戚の男達の下女として都会に行くよう命じられた主人公が、いずれ都会の偉い文学の先生に弟子入りし、人間の第七感にひびく詩を書きたいと思っている……ただし、人間の第七感というものがどんなものかはまだ分からない
…という感じです。

第七感といったらコスモ(小宇宙)ですね。仏教には八感まであります(セイントセイヤにも出てくる)。

そしてあらすじですが、簡単に言えばCLANNADの夢のとおりです。あれ以上に特に付け加えるべき部分が無く、そのままの作品であるといっても……いや、多少は問題もあるのかもといったところですが。

主人公(小野町子)が向かった家では、小野一助、小野二助、佐多三五郎という三人の男が住んでいます。一助は精神科医、ニ助は植物学者、三五郎は音楽学校への入学を目指す学生です。
上のページにあるように小野2人が町子の兄弟だったかはちょっと記憶に無い。
苗字が同じだけだった気もします。恋をする相手かもしれないし。

これは、冒頭のセリフにも関係あることですが、町子が恋をする相手とは…一助なのかな?

三五郎に関しては、もともと町子と会ったことがありました。物語中でも、最初は三五郎と一緒にいる時間が長く、三五郎のほうも町子に好意を持っている様子でもあり……しかしその後町子はニ助を気にするようになっていき、それに伴い三五郎とは一緒にいる時間を全く取らないようになっていきます。そして最終的には二助のことも忘れて一助のことを気にし始めます。

三五郎は音楽の学校への合格を目指して、ピアノをひいたり歌を歌ったりして過ごし、二助は大学で専門に研究している肥料作りのため、自分の部屋でもいつも肥やしを煮つつ二十日大根やコケを育てており、ある日「今夜あたり、僕の苔が恋を始めるんだ。これから忙しくなるぞ」とか言い始め、精神病院で働く一助は「朝から大声で歌を唄ったり、肥やしを煮続けたりして、みんな僕の病院にいれてしまうぞ」などと言っていたりします。
他にも、二助が「昨日は僕自身が苔になる夢を見た」というと、一助は「面白い、話してみなさい」と応じる場面もあります。ニ助は「本気で僕を病院にいれるつもりかい?」と話すのを渋りますが、実のところ一助が今受け持っている患者に、本人曰く「石や苔のように」全く何も話してくれない(そういう症状の?)患者がおり、この女性患者のことが医師としてではなく気になりはじめている一助としては、「苔の気持ち」をぜひ理解したいところだったのだそうです。

CLANNADで藤林姉妹が「そいつは私の患者よ」と争い始めるのは、この一助とその同僚の医師がその女性患者の件での言い争いの場面に由来しています。美人らしい?その女性患者の受け持ちを奪おうとする同僚医師を必死に説得しようとしている一助を見て、届かぬ思いであると分かっていながらも、その恋する一助の姿に惹かれていく…という感じなのでしょうか。


結局、三五郎が音楽学校に合格するでもなく、町子が詩の先生に作品を持ち込むこともなく、町子と誰かが恋人になるでもなく、この一助と同僚医師の言い争いの中で物語は終了します。何か食べ物を買ってくるよう求められたものの、2人の会話をその場で黙って聞き続ける町子に対し「早くうまいものを買ってこないか」と同僚医師が(町子を一助の親戚の女性としてではなく、ただの下女と思って)催促したことにより、町子は買い物のために喧嘩の現場から出て行くことになります。そこで物語は終わり。

どういう話だったんでしょうねえ……

おまかせリンク(ベータ版)で、キーワード:CLANNADの結果